
通信販売はネットショッピングが代表例ですが、クーリング・オフ制度は適用されません。ただ、通信販売で買った商品が思っていたものでなかった場合は、8日以内なら返品することができます。もっとも、販売業者が返品特約を設けている場合はそのルールに従うことになりますし、返品できないケースもあります。
通信販売の返品制度について解説します。
通信販売はクーリング・オフできないが返品はできる
通信販売はクーリング・オフできるのでしょうか?
特定商取引法には、訪問販売と並んで通信販売についての規定があるので、クーリング・オフが可能であるかのように思うかもしれません。
結論から言うと、通信販売はクーリング・オフの対象になっていません。
ただ、返品制度が用意されており、一定期間なら返品が可能なケースもあります。
通信販売とは
通信販売の定義は、特定商取引法2条2項に規定されていますが、郵便や電話等の手段によって商品の販売やサービスの提供を行うもので、電話勧誘販売に該当しないもののこととされています。
例えば、次のような取引が通信販売に当たります。
- ダイレクトメールやチラシを見て申し込む形のショッピング
- カタログショッピング
- テレビショッピング
- ラジオショッピング
- ネットオークション
- ネットショッピング
- 有料・課金制のオンラインゲーム
- 有料の出会い系サイト
このうち、ネットオークションは出品者側が販売業者に該当する場合が、通信販売に当たることになります。
販売業者に該当するかどうかは、「インターネット・オークションにおける「販売業者」に係るガイドライン」にルールが設けられていますが、
- 過去1ヶ月に 200 点以上
- 落札額の合計が過去1ヶ月に 100 万円以上
- 落札額の合計が過去1年間に 1,000 万円以上
等の大量出品を行っている場合が該当することになります。
また、ネットショッピングとは、インターネットで買い物をする場合で、アマゾン(Amazon)、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどでの買い物が該当します。もちろん、直販サイトでの買い物も通信販売に当たります。
通信販売がクーリング・オフの対象でない理由
通信販売は、消費者がネットでの評判を調べるなどして吟味したうえで購入する取引です。つまり、慎重に買い物をするのが一般的で、業者による不意打ち的な勧誘や不当な勧誘は想定されていません。
そのため、消費者にクーリング・オフを認める必要はないと考えられているわけです。
通信販売の返品制度とは?
通信販売は、実際に商品を手にとって確かめて買うことはできないのが一般的です。そのため、実物が届いてから、サイズが合わないなどの理由により、思っていた商品とは違う場合もあります。
そこで、一定期間なら返品ができることになっています。
返品制度は販売業者がルール(返品特約)を設けている場合はその返品特約で運用されます。
返品特約を設けていない場合は、特定商取引法15条の3により次のようなルールが用意されています。
- 返品申出期間(契約解除期間)は商品の引渡しを受けた日から8日以内。
- 8日以内に返品申出の通知を販売業者側に伝えなければならない。
- 返品にかかる費用(送料など)は消費者側の負担となる。
訪問販売等のクーリング・オフと同じように期間は8日以内です。
ただ、クーリング・オフは8日以内に通知を発すれば間に合うのに対して、通信販売の返品申出は、8日以内に販売業者側に伝わっていなければならない点で違うので注意しましょう。
また、クーリング・オフの場合、販売業者側に送料を負担させることができますが、通信販売の返品では消費者側の負担となってしまいます。
通信販売は返品できない場合もある?
通信販売では、返品できないケースもあります。代表的なケースは次の2つです。
- 販売業者が返品を受け付けていない旨を明記している場合
- 役務取引の場合
それぞれ確認しましょう。
販売業者が返品を受け付けていない旨を明記している場合
クーリング・オフは強行規定なので販売業者側でクーリング・オフを受け付けないと決めたり、ルールを変えることは認められていません。
それに対して、通信販売の返品制度は強行規定ではないため、販売業者がルールを変えることが認められています。
例えば、「返品は一切受け付けていません」と明記することも認められています。この場合、消費者は返品を申し出ることはできません。
特定商取引法15条の3で定められている通信販売の返品制度は、販売業者が特別なルールを設けていない場合のみ適用されるものであることに注意しましょう。
そのため、通信販売で商品を購入する際は規約をよく読むことが大切です。
役務取引の場合
役務取引とは、通信によりサービスを提供する場合です。
例えば、
- 有料・課金制のオンラインゲーム
- 有料の出会い系サイト
などが代表例です。
これらのサービスは、一旦利用してみて思ったものでなかったとしても、事業者側が返金について特別なルールを設けていない場合は返金を求めることはできません。
特定商取引法15条の3は、「商品又は特定権利の販売」のみに適用される制度だからです。
ただ、事業者によっては一定の場合は返金可能としていることもあります。
通信販売で返品できない場合でも契約取消ができることもある?
ネットショッピング等では、最終申込画面が誤認を与える表記になっている場合などは、返品制度とは別に契約の取消ができるケースもあります(特定商取引法12条の6、15条の4)。
これを通信販売における取消制度と言いますが、詳細はここでは割愛します。
まとめ|通信販売のトラブルを避けるためには?
通信販売では、クーリング・オフはできません。また、返品制度も販売業者が返品を受け付けていない旨を明記している場合は利用できません。
そのため、ネットショッピングで商品を購入する場合は、商品やお店の信頼性についてよく吟味してから購入すべきです。
また、返品するかもしれない場合は、返品特約がどのようなルールになっているのか確かめることが大切です。


