
司法試験は受験資格がないと試験を受けることができません。行政書士、司法書士、弁理士、宅地建物取引士などの法律関係の国家試験のほとんどは、受験資格に制限がなく、誰でも受験できますが、司法試験は、法科大学院(ロースクール)を修了するか、司法試験予備試験に合格しなければ、受験できないことになっています。
この記事では、司法試験の受験資格や在学中受験資格、法曹コースなどの最短ルートで得る方法について解説します。
司法試験とは
司法試験とは、裁判官、検察官、弁護士の法曹になる資格を得るための国家資格試験です。
司法試験法という法律に則って実施されています。
なお、司法試験に合格しただけで、法曹になれるわけではありません。司法試験合格後に司法修習を終えた後で初めて、裁判官、検察官、弁護士のいずれかの職に就くことができます。
司法試験の受験資格は?
司法試験を受けるためには受験資格が必要です。
基本的には、
- 法科大学院(ロースクール)を修了した者
- 司法試験予備試験に合格した者
しか受けられません。
中卒、高卒、専門卒でも司法試験の受験資格が得られる?
中卒、高卒、専門卒でも司法試験の受験資格を得ることは可能です。
まず、最終学歴が中学卒業、高校卒業、あるいは専門学校卒業にとどまる場合は大学を卒業していないことになるため、法科大学院(ロースクール)に入学することができません。
一方、司法試験予備試験は、学歴や年齢に関係なく誰でも受験することができます。
そのため、中卒、高卒、専門卒の方が、大学に行かずに司法試験を受けたい場合は、司法試験予備試験に合格することで受験資格を得ることができます。
現役の高校生でも司法試験に合格できる?
現役の高校生でも司法試験に合格するルートは用意されています。
まず、現役の高校生は中卒ということになりますから、司法試験予備試験に合格する必要があります。
司法試験予備試験に合格すれば、翌年に司法試験本試験に挑戦することができます。
司法試験では、受験時の年齢には制約がないため、高校生でも合格することが可能です。
外国人でも日本の司法試験を受験できる?
日本の司法試験は、国籍要件がありません。
そのため、外国人でも、日本の司法試験を受験することができます。
受験資格を得るためには、日本人の受験生と同様に、法科大学院(ロースクール)を修了するか、司法試験予備試験に合格する必要があります。
なお、外国人が司法試験に合格しても、裁判官、検察官になることはできないため、注意しましょう。
「公権力の行使または国家意思の形成への参画に携わる公務員となるためには日本国籍が必要」とされているところ、裁判官、検察官は、公権力の行使に関わる公務員だからです。
そのため、外国人の方が、日本の裁判官、検察官を目指すならば、まず、日本国籍を取得しなければなりません。
一方、弁護士は公務員ではないので、外国人でもなることができます。
司法試験の受験資格を最短で得る方法とは?
司法試験の受験資格を最短で得る方法は、司法試験予備試験に合格することです。今年の司法試験予備試験に合格すれば、来年には司法試験を受けることができます。
しかし、司法試験予備試験は、東京大学法学部で勉強している方でも、合格することが大変難しい試験です。
法律に関する知識が全くない状態で、司法試験予備試験に合格できる実力を身につけるには6,000〜8,000時間の勉強が必要と言われています。
時間にすると2年から4年ほどはかかる計算になります。
司法試験予備試験は、本番の司法試験以上の狭き門となっているため、司法試験予備試験にこだわることが受験資格を最短で得る方法とは言い切れません。
法科大学院(ロースクール)経由で司法試験受験資格を得るには?
法科大学院(ロースクール)経由で司法試験受験資格を得るためにかかる時間は、次のとおりです。
大学(4年間)
法学部が望ましいですが他学部でも卒業すれば、法科大学院(ロースクール)への入学は可能です。
法科大学院(ロースクール)
法学未修者コース(3年)と法学既修者コース(2年)があります。
法科大学院を無事に修了すれば、その年の4月1日以降に司法試験を受けられます。
つまり、法学部出身であれば、法学部4年+法学既修者コース2年=6年で司法試験の受験資格を得られます。
一方、他学部出身の方でも、大学4年+法学未修者コース3年=7年で司法試験の受験資格を得られます。
これが、法科大学院(ロースクール)を経由する場合の標準的な年数です。
法科大学院(ロースクール)2年目に司法試験受験資格を得られるケースもある?
法科大学院(ロースクール)の在学中に司法試験受験資格を得られるケースもあります。これを「在学中受験資格」といいます。
- 所定科目単位を修得していること。
- 司法試験を受験した年の4月1日から1年以内に当該法科大学院の課程を修了する見込みであること。
この2つの要件を満たした場合に、在学中受験資格を得られます。
所定科目単位は次のとおりです。
- 法律基本科目(憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法及び刑事訴訟法に関する分野の科目)の基礎科目 30単位以上
- 法律基本科目の応用科目 18単位以上
- 選択科目(倒産法、租税法、経済法、知的財産法、労働法、環境法、国際関係法(公法系)又は国際関係法(私法系)) 4単位以上
これだけの単位を得ないといけないので、法科大学院(ロースクール)2年目に司法試験受験資格を得るには、1年目で相当詰め込んだ勉強が必要になります。
最短で司法試験受験資格を得られる法曹コースとは?
法曹コースとは、法学部と法科大学院(ロースクール)を併設している大学のみに用意されたコースです。
具体的には、法学部の授業を3年で修了し、4年次には飛び級で法科大学院(ロースクール)に入学することができます。
さらに、法科大学院(ロースクール)でも、在学中受験資格を得れば、法科大学院(ロースクール)2年目には司法試験の受験資格を得ることになります。
つまり、法学部3年+法科大学院(ロースクール)1年=4年で司法試験の受験資格を得られます。
司法試験予備試験に合格するには、2年から4年ほどはかかる上、狹き門であることを考えれば、予備試験を狙うよりも法曹コースに通った方がタイパが良いという考え方もできます。
司法試験受験回数にも注意
司法試験の受験資格で注意したいことは、受験できる期間が5年以内に限られていることです。
具体的には、
- 法科大学院(ロースクール)を修了した者は、修了の日後の最初の4月1日から5年を経過するまでの期間
- 司法試験予備試験に合格した者は、その合格の発表の日後の最初の4月1日から5年を経過するまでの期間
この期間しか受験できません。
在学中受験資格を得た場合は、受験した年も含めて5年間なので注意しましょう。
つまり、司法試験の受験資格を得ることを焦るあまり、司法試験に合格する実力が備わっていない状態だと、5年以内に合格できないケースもあります。
そのため、あえて、標準的なルートを進み、実力を蓄えてから司法試験に挑戦した方が確実とも言えるわけです。
まとめ
司法試験の受験資格を得るためには、法科大学院(ロースクール)を修了することと、司法試験予備試験に合格することの2つを基準としつつ、様々な組み合わせがあることを紹介しました。
司法試験は受験資格を得るだけでも大変ですが、今から合格を目指す方は、諦めずに最終合格を勝ち取ってください。

