
労働法は労働者と株式会社などの企業の関係を規律する法律です。
法律名ではなく、労働者が会社で働くにあたって結ぶ労働契約について規律する労働契約法や労働基準法、労働者が団結して会社と交渉する権利について規定する労働組合法等の総称です。
労働法とは?
労働法という法律は存在しません。
労働関係の法律は、憲法、労働基準法、労働契約法、労働組合法など様々な法律により構成されています。これらの法律の総称を労働法と言います。
大学生になると、アルバイトをする方が多くなるでしょう。アルバイトとして働く際は、雇用契約や労働契約などを会社側と締結しますが、その内容は労働契約法という法律により規制されています。
一方、会社側は、就業規則により細かい労働条件を定めているのが一般的です。
就業規則が従業員の人権を無視するような内容だと、大きな問題になります。
そこで、労働基準法という法律により、就業規則の記載事項を規制しています。
具体的には、就業規則の内容が法令に違反する場合は、労働基準監督署が変更を命じることができることになっています(労働基準法92条2項)。
また、会社に雇われている立場の労働者は、労働条件などに関して単独で会社と交渉するのが難しいこともあります。
そのような場合は、同じ立場の労働者が団結して交渉することで、会社に対して労働条件の見直しを求めることが認められています。
憲法28条に、「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。」と規定されており、この規定を受けて、労働組合法などの法律が制定されています。
労働法では、これらの法律を体系的に勉強することになります。
では、労働法の重要度について、5段階で評価してみましょう。
| 日常生活でのお役立ち度 | ★★★★★ |
| 実務での重要度 | ★★★★★ |
| 国家試験での重要度 | ★★☆☆☆ |
| 講義の楽しさ | ★★★★★ |
労働法の日常生活でのお役立ち度
労働法の勉強で得た知識が私たちの日常生活で役に立つのかという指標です。
労働法のお役立ち度は星5つです。
殆どの方は、社会に出れば会社などで働いて生計のためのお金を得ることになります。
会社で働く際は、雇用契約や労働契約を結ぶことになるわけですから、その内容を知っておくことが重要なのは言うまでもないでしょう。
会社は従業員を正当な理由なく解雇することはできません。
労働契約法16条にも、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と定められています。
これを受けて、解雇が認められるのはどのような場合か? に関して、様々な判例が蓄積されています。
労働法では、こうした事例を勉強することになります。
法学部では有名な判例しか勉強しませんが、考え方を知っておけば、万が一、自分がそのような立場に立たされた際に、会社側と戦うべきだと判断できるでしょう。
労働法の実務での重要度
労働法の勉強で得た知識が、弁護士、労働基準監督官といった実務家の仕事に役立つのかという指標です。労働法の指標は星5つです。
労働問題に関わる弁護士は、企業側と労働者側のどちらかの立場に立つことになります。
企業側に立つ場合は、企業の顧問弁護士として、会社が労働者を解雇する際に、労働者から不当解雇として訴えられないよう懸念すべき点を一つ一つ洗い出して、それらをすべてクリアできるようにサポートすることになります。いわゆる予防法務です。
一方、労働者側に立つ場合は、労働者の相談を受けて、不当解雇だと会社を訴えたり、未払給与の請求、未払い残業代の請求などを行うことになります。
労働基準監督官は、労働基準監督署で働く労働問題専門の公務員です。労働法の知識が必要になることは言うまでもありません。
また、一般の会社員でも、人事部や総務部で働く場合は、労働法の知識が不可欠です。
労働法の国家試験での重要度
労働法が司法試験などの国家試験でどの程度重要なのかに関する指標です。
労働法の指標は星2つです。
労働法が出題科目となっている試験は、司法試験、社会保険労務士試験、労働基準監督官採用試験だけです。
司法試験では、論文試験の選択科目の一つでしかありません。そのため、労働法を選択しなければ、労働法の知識がなくても合格できます。
ただ、弁護士は一般の方から相談を受ける際は、労働問題絡みの話が多いため、受験生の時から労働法を勉強しておいたほうが有利です。
社会保険労務士試験では、厚生年金法や健康保険法が主力科目ですが、労働法からの出題もあります。勉強しなければ合格することはできません。
労働基準監督官採用試験では、労働法が必須科目になっています。他の科目も重要ですが、まずは、労働法をしっかり勉強しましょう。
労働法の講義の楽しさ
法学部での労働法の講義は楽しいのでしょうか?
結論から言うと、民法に次いで楽しい講義になるはずです。
法律の勉強では、自分に身近な事例を取り上げてもらわないと、イメージが湧きにくく、そのために理解が難しいことがあります。
その点、大学生の多くは、アルバイト経験を通して、労働契約関係を体験しています。自分に当てはめて考えることができるので、話を理解しやすいと言えます。
また、労働法は条文がシンプルです。
難読条文は殆ど無いので、原文のままでも意味がわかるので勉強しやすいです。
講義では、条文よりも判例を取り上げることが多いですが、いずれの判例も興味深いものばかりなので、退屈することはないはずです。
まとめ
労働法が必須になっている国家資格試験は、社会保険労務士試験ぐらいしかなく、試験対策としては重要度が低いです。
ただ、社会に出たら、殆どの方は会社等と労働契約を結んで働くことになります。
そのため、その労働関係を規律する労働法を知っておくことは、重要です。
法学部では、労働法は選択科目の一つであることが多いと思いますが、ぜひ、選択したい科目です。
これから労働法の勉強を始める方は参考にしてください。

