
法学部では講義で使う教科書のことを基本書と読んでいます。法律の基本書は初学者が読みやすいかどうかを考慮していないものも多いため、高いお金を出して買って後悔する学生も少なくありません。
基本書を買うべきかの判断基準、選び方について解説します。
基本書はすぐに買う必要はない
高校までの授業は、教科書をベースに進められるので、教科書がなければ授業にならなかったと思います。
大学の法学部でも、教科書をベースに講義を進める教員もいます。こうした教員の講義を受講する場合は、教科書が必要です。
法学部の場合、教科書のことを「基本書」と呼ぶのが一般的です。
しかし、教員によっては、講義の基本書を指定しておきながら、基本書を全く使わないこともあります。この場合、基本書を買っても無駄になってしまう可能性が高いので注意しましょう。
基本書は値段が高い
法学部の基本書は、値段が高いものばかりです。
安いものでも約2,000円はしますし、高いものだと約5,000円かかることもあります。
法学部の基本的な履修科目である、憲法、民法、行政法、会社法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法の7科目ごとに、2,000円から5,000円出費して基本書を購入することになるわけです。
その他にも、倒産法、国際法、労働法、知的財産権、経済法、租税法、環境法、消費者法などの選択科目もあります。
また、民法のように、民法総則、物権法、担保物権法、債権総論、債権各論、不法行為法、親族法・相続法と講義が分かれていて、それぞれの講義ごとに別の基本書が必要になるケースもあります。
そのため、トータルでは基本書だけで数万円といった出費になります。
学費とは別にこれだけお金がかかるわけですから、授業で使わない基本書を買う余裕などない方がほとんどではないでしょうか。
基本書を買うか買わないかの判断基準
基本書を買うか買わないかの判断基準は、
- 講義で使うかどうか
- 読めるかどうか(解読できるか)
- ネットの口コミ評判を確認する
の3つです。
それぞれ確認しましょう。
講義で使うかどうか
講義の担当教員が、「基本書の何ページを開いて」という感じで、基本書をベースに講義を進めている場合は、指定された基本書がないと話が分からないので、買うしかありません。
基本書は使わず、教員が一方的に話しているだけであれば、基本書は不要です。ただ、「今日の講義の内容は、何ページから何ページまでに書かれているから後で目を通すように」と言うケースもあるのでその場合は基本書があったほうが便利です。
高校までの授業と違い、大学では基本書を持っているかどうかはチェックしませんし、持っていないからといって減点されたり怒られるわけではありません。
初めの数回の授業は、基本書を買わないで様子見するとよいでしょう。
読めるかどうか(解読できるか)
基本書は、講義のときだけ開くわけではなく、予習や復習でも使います。
教員によっては、前置きなしに難しい話を始める人もいるので、予習していないと講義についていけないこともあります。
そのため、基本書は独力でも読めるものを選ばなければなりません。
法学部の基本書は、高校までの教科書とは違い、教科書検定を経て出されているわけではありません。
初めて法律に触れる学生が読めるかどうかを考慮していない基本書もたくさんあります。
また、学者の本は、校正が甘いのか、誤字脱字が多かったり、たどたどしい文章で読みづらいものも少なくありません。
まるでお経のように条文と判例を羅列しているだけで解説になっていない本もあります。
こうした基本書が指定されてしまうと、学生にとっては悲劇です。
何が書かれているのか解読不能、かつ、講義で使わない基本書を買うのはお金の無駄でしかありません。
指定された基本書は、大抵の場合、大学の図書館にも何冊かあると思います。
借りて読んでみて、独力で読み進められるようでしたら、必要に応じて購入を決めてもよいでしょう。
読めないものだったら、購入は見送るべきです。
ネットの口コミ評判を確認する
法学部の基本書もよく使われているものであれば、アマゾンや楽天にレビューが掲載されているので、参考にするとよいでしょう。
この際は、レビューを書いているのは誰なのかに注意しましょう。
「読みやすい」「わかりやすい」と書かれていても、司法試験の受験生のレビューでしたら、法学部に入ったばかりの学生には参考になりません。
司法試験の受験生は大抵、予備校の講義を受けたり、読みやすいテキストで基本的な知識を得ています。
そのうえで、初学者には難解な基本書を「読みやすい」「わかりやすい」と言っているという点を考慮する必要があります。
基本書を買わないと決めた場合の参考書
講義でも使わない、しかも読みづらい基本書であれば、買う必要はありません。ただ、何かしら、参考書がないと講義の理解が深まらないですし、予習、復習もできないと思います。
そんなときは、次のように参考書を選ぶとよいでしょう。
ネットで調べて評判の良い基本書を選ぶ
法律の基本書は難解なものが多いです。それでも、初学者でも読みやすいと好評の基本書もあります。
こうした基本書なら、独学でも読み進められる可能性が高いので、図書館で内容を確認したうえで、買ってみるとよいでしょう。
つまり、講義で指定された基本書でなくても自分で読みやすいと感じたものを選べばよいのです。
予備校のテキストを買う
法学部の予備校とは、司法試験の予備校のことです。LEC、伊藤塾、TAC、辰巳法律研究所などが老舗として知られています。
こうした予備校は、司法試験のことを何も知らない人を合格レベルまで引き上げるにはどのように教えればいいのかを長年研究し、実践してきました。
テキストも初学者が読むことを前提にまとめているので、法学部に入ったばかりの人でも読みやすいものが多いです。
予備校のテキストは、行政書士、司法書士、宅地建物取引士、弁理士、社会保険労務士、公務員試験など、国家資格試験ごとに用意されていますが、法学部の講義にピッタリ合うのは、「司法試験」用のテキストです。
「司法試験のテキストって気合いを入れ過ぎでは?」と尻込みしてしまうかもしれませんが、司法試験問題も法学部で学ぶことをベースに作成しているのです。
高くて解読不能の経典のような基本書にお金をかけるよりも、司法試験のテキストを買ったほうが、大学の授業も理解しやすくなりますし、法律の勉強が楽しくなること請け合いです。
テキストによっては、条文と判例も丁寧にまとめられているものもあるので、普段の授業では、六法も判例集も持ち歩く必要がなく、司法試験のテキスト一冊あれば十分ということになり、荷物が軽くなりますし、コスパも良いです。
まとめ
基本書は講義で使うかどうかにかかわらず、独力で読み進めるのが基本です。解読不能だとお金の無駄になるので購入前に、内容を確かめるようにしましょう。
予備校の司法試験用のテキストは読みやすいものが多いです。司法試験を受ける気がなくても、参考書代わりに使うと、法学部の講義もわかりやすいのでおすすめです。
※ちなみに著者は予備校の回し者ではなく、実体験を書いているだけです。

